天府星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その7/原宿の占い師 中島多加仁 紫微斗数占い

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天府星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その7

名称 天府星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その7
出版社 ほしよみbooks
発売日 2023/11/30
定価 紙本版:1,540円(税込)
Kindle版:800円(税込)
Unlimited: 0円
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著者 中島多加仁

シリーズの出版企画に際して

本書は『シリーズ紫微斗数14主星』の第7弾、天府星の取扱説明書になります。

さて、いよいよ今回から、第2グループの解説がはじまります。これまでは紫微星を皮切りに、天機・太陽・武曲・天同そして廉貞と、いわゆる『紫微系星』の紹介でした。ようやく今回から、天府星を筆頭とした第2グループとなります。
これを『天府系星』と呼んでいます。
そもそも紫微斗数の主星たちは『北斗』と『南斗』に分類されています。そして、この天府は南斗のリーダーであり、以下の星たちを率いている女帝なのです。天府が従える星は、太陰・貪狼・巨門・天相までが女性星で、残りの天梁・七殺・破軍が男性星です。

陰陽五行論では基本的に男性は陽、女性は陰の性質です。ではなぜ、紫微は男性星なのに陰性で、天府は女性星なのに陽性なのか、あなたは説明できますか?
その理由として考えられるのは、紫微を象徴とする北極星は小熊座の尻尾にあたり、動かない中心の星だということ。しかも『北』という場所は、極陰の地であります。ゆえに紫微は、皇帝であるにもかかわらず陰性星という扱いになったのかもしれません。

対して天府は射手座の「アスケラ」で、それはラテン語で「腋窩」という意味の言葉に由来しています。腋窩とは人体の胸部側面と両腕の境目にある、脇のくぼみのこと。体温を測る際に腋窩に体温計を当てるのは、皮膚表面から浅い部分にあるためです。そこから連想するのは熱、つまり火です。射手座のエレメントも火であり、そのもっとも熱を感知させる部位ですから、まさに陽性の極みですよね。

ちなみに射手座生まれは秋から冬にかけて(11月後半から12月中旬まで)ですが、主に空に見える季節は夏です。
生まれた日の星座は、太陽の近くにおり、昼の太陽と一緒に星座も移動しますので夜空には存在しません。そのため夜空に見えるのは生まれた日の3から4カ月前です。射手座がよく見える時期は7月の午前0時ごろ、8月の22時ごろ、9月の20時ごろで、南の低い位置にいます。射手座には銀河の中心のほか冬至点があるので、冬の太陽の高さまでしか昇ってきません。
蛇足ですが、蠍座から東にずれると、天の川が濃くなっているあたりに射手座の弓矢があります。弓矢の部分に南斗六星があり、西洋ではこれをミルクディッパー(匙)と呼んでいます。天の川がミルキーウェイで、そのミルクをすくうスプーンとして見立てたのです。

さて、紫微斗数の星には『天星』と『地星』があります。
紫微系には天機と天同2つの天星がいて、天府系には天府・天相・天梁の3つがあります。そのうち紫府廉系に天府と天相が属しており、機月系には天機・天同・天梁の3つが属しています。
ちなみに地星とは、武曲・廉貞とサッパロウ(七殺・破軍・貪狼)、そして巨門を指しています。これらの星たちは地上に降りて、現実社会で活躍する役目があります。武曲は在庫の管理、廉貞は仕事そのもの、サッパロウたちは軍事や貿易、そして巨門は諜報活動です。
それに比べて天星らは、企画や開発の責務があります。さらにその上に太陽と太陰がいて、指示を出したり見張り役を担っています。そして最上位に紫微星が君臨しているわけです。
天府の『府』には、ひとや物が集まる場所、ものごとの中心といった意味があります。鎌倉からはじまって室町を経て江戸幕府が誕生しました。

1868年に設置された京都府を皮切りに江戸府、神奈川府、奈良府、大阪府、長崎府など計10カ所が誕生しました。しかし神奈川府がわずか2カ月で神奈川県になるなど、地方制度や境界線はめまぐるしく変容しています。
この時期の府県の統合分離は、各地にあった飛び地を整理するためでした。1869年には「京都、東京、大阪以外は府と呼ばない」という布告が発令され、3都市のみとなったのです。行政の中心である江戸、経済の中心である大阪、天皇が住まう京都という最重要地を別格扱いしたわけです。
「府」の付く地名は現在でもいくつか点在しています。すぐ思いつくのは甲府とか府中でしょうが、かつて静岡の地を駿府と呼んでいたのも挙げられますね。これは駿河にある府という意味で、そこに駿府城という徳川家康の居城があったわけです。また福岡の太宰府も有名です。
ちなみに東京府は昭和18年に、東京市と統合されて東京都になりました。現在、日本の首都は東京であり、西には大阪と京都が『府』として威光を放っています。

ひとつのたとえに、紫微星が東京だとすると天府は京都・大阪となります。どちらが上か、という比較論ではなく、それぞれの役割と個性の違いです。つまり国家でいうなら紫微はトップの星で首相になり、天府は副総理あるいは副大統領になるわけです。まるでナンバーツーのようですが、その座は永遠ではなく、紫微が抜けた穴を埋める次期総理であり、企業でいうと社長代理なのです。

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