天同星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その5
名称 | 天同星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その5 |
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出版社 | ほしよみbooks |
発売日 | 2023/10/19 |
定価 | 紙本版:1,540円(税込) Kindle版:800円(税込) Unlimited: 0円 |
購入URL | Amazon |
著者 | 中島多加仁 |
シリーズの出版企画に際して
本書は『シリーズ紫微斗数14主星』の第5弾、天同星の取扱説明書になります。
明の時代に記された怪奇小説『封神演義』によると天同星は、古代中国において周易の始祖として名高い文王だとされています。ただし封神演義と紫微斗数との関係は、後世の好事家による虚構ではあります。
周易とは古代中国の周の時代に作成された卜術のひとつです。基本的には『易経』という古典に照らし合わせて解釈されます。易経は占いの書物であったことから、随時代の過激な独裁者だった煬帝による焚書を免れました。そして、その後の儒学者たちの研究により儒学的のみならず道徳的に変化していきました。
そんな周易の六十四卦に『天火同人』という項目があります。
天火同人の「同人」は字のごとく、同じ志を持つ仲間という意味です。さらに「天」と「地」はともに上昇を表しています。つまり、この卦は「仲間とともに上を目指すこと」を暗示しています。さらに、天は健やかさを、火は明らかさの象徴ですから、公明正大であれとも説いているのです。
この卦が出たら、団結や協調が大切だとされています。単独行動ではなく、グループで行動するほうがよいのです。かといって、すべてを受け入れなければならないわけではありません。方向性が違うとか、志が異なっていれば、うまくはいかないのです。その一方で、誰かを説得して味方につけられる好機とも考えられます。ただし、複数で過ごすのによい運気のため、恋愛は進展が遅いと読み解きます。
まさに天同星は、この『天火同人』を象徴しているといえましょう。
しかし天同は水星です。ということは『天火』ではなく『天水』ではないのか、という視点も生まれます。
易の六十四卦で天水とくれば『訟』となります。つまり『天水訟』なのですが、これは「争い」を意味しています。上に昇る天は勝ち気を示し、下に降りる水は険しさを示しています。この相反するふたつの影響で、ぶつかり合いが起こりやすいのです。しかし争いは消耗して疲れるだけですから、「逆に妥協して和解するように心がければ吉となる」という暗示でもあるわけです。
周易で占って天水訟を得たら、トラブルに巻き込まれやすい時期だと解釈します。たとえ正しいと信じることでも、強く自己主張すれば反感を買いかねません。周りが敵ばかりになってしまうこともあるでしょう。しかし、あえて一歩引いて譲れば、結果的に自分の意見が通るとも考えます。「いまは無謀な行動は慎み、争いになるような事態は避けるほうが賢明ですよ」と。要するに、負けるが勝ちのような運気、それが天水訟なのです。
天下同人と天水訟は、まったくもって真逆の構図ではあれ、どことなく天同星を彷彿とさせます。
日本語で「てんどう」を漢字変換すると『天童』となります。つまり「わらべ」なのですが、幼児性という意味を含んでいるわけです。
天同星は平和主義の星ですが、不利になることを恐れるあまり、戦わずして逃げ出してしまいます。つまり弱虫なのです。ただし性格は優しく、日本人なら色白で美形が多く、異性にモテるのが特徴です。ひとと争うことが極端に苦手で、嫌われることを恐れるので不安症になりやすいのです。
命宮に天同星を持つと父母宮に武曲星が入り福徳宮に太陽星があるので、頼りになる先輩や上司に導かれます。紫微系星で唯一の女性星であり、太陽星と武曲星というふたりの上司の争いに巻き込まれ、被害を受けてしまうわけです。
幼少期から文学や音楽が好きです。優柔不断で、いわゆる天然系です。好奇心が強く博識ではありますが、自由人なので組織の中で継続することが苦手。広く浅くになりがちです。
自由な気質から水商売や風俗関係の女性も多いです。男性の天同星は優柔不断で流されやすく、頼りない印象です。表面的な優しさはあるけれど、芯が弱いので窮地に立たされると逃げてしまいます。
気の合う仲間を大切にしますが、嫌いなひとやグループからは、さっさと身を引きます。とくに重責を負わされそうになると、泣きながら消えようとします。芸術や芸能活動であれば運気は高まり、不可能を可能にしてくれる能力を秘めています。
独特の個性を放ち、他のひととは違う斬新な考えと、大きな夢を内に秘めています。豊かな愛にあふれたひとです。
普段は単独行動を好み、群れることを好みませんが、いざトラブルが持ち上がったときは協力を惜しみません。その冷静な対処は、ときに的を得ています。議論も好きで「自分は自分、人は人」という価値観があり、他人の意見に流されたりするフリはしますが、じつは本心では別のことを考えています。じぶんの意見を誰かに押し付けるのが苦手なので、経営やマネージャーなどのリーダー格になるとストレスを感じます。
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