シリーズ紫微斗数の第5弾、天同星の取扱説明書が発売
『シリーズ紫微斗数14主星』の第5弾、天同星の取扱説明書が発売されました。
明の時代に記された怪奇小説『封神演義』によると天同星は、古代中国において周易の始祖として名高い文王だとされています。ただし封神演義と紫微斗数との関係は、後世の好事家による虚構ではあります。
周易とは、古代中国の周の時代に作成された卜術(ぼくじゅつ)のひとつです。基本的には『易経』という古典に照らし合わせて解釈されます。易経は占いの書物であったことから、随時代の過激な独裁者による焚書を免れました。
そして、その後の儒学者たちの研究により道徳的に変化していきました。そんな周易の六十四卦に『天火同人』という項目があります。天火同人の「同人」は字のごとく、同じ志を持つ仲間という意味です。さらに「天」と「地」はともに上昇を表しています。つまり、この卦は「仲間とともに上を目指すこと」を暗示しています。
さらに、天は健やかさを、火は明らかさの象徴ですから、公明正大であれとも説いているのです。この卦が出たら、団結や協調が大切だとされています。まさに天同星は、この『天火同人』を象徴しているといえましょう。しかし天同は水星です。ということは『天火』ではなく『天水』ではないのか、という視点も生まれます。
易の六十四卦で天水とくれば『訟』となります。つまり『天水訟』なのですが、これは「争い」を意味しています。上に昇る天は勝ち気を示し、下に降りる水は険しさを示しています。この相反するふたつの影響で、ぶつかり合いが起こりやすいのです。天下同人と天水訟は、まったく真逆の構図ではあれ、どことなく天同星を彷彿とさせます。
日本語で「てんどう」を漢字変換すると『天童』となります。つまり「わらべ」なのですが、幼児性という意味を含んでいるわけです。天同星は平和主義の星ですが、不利になることを恐れるあまり、戦わずして逃げ出してしまいます。つまり弱虫なのです。ただし性格は優しく、日本人なら色白で美形が多く、異性にモテるのが特徴です。争うことが極端に苦手で、嫌われることを恐れるので不安症になりやすいのです。
命宮に天同星を持つと父母宮に武曲星が入り福徳宮に太陽星があるので、頼りになる先輩や上司に導かれます。紫微系星で唯一の女性星であり、太陽星と武曲星というふたりの上司の争いに巻き込まれ、被害を受けてしまうわけです。
幼少期から文学や音楽が好きです。優柔不断で、いわゆる天然系です。好奇心が強く博識ではありますが、自由人なので組織の中で継続することが苦手。自由な気質から水商売や風俗関係の女性も多いです。男性の天同星は、優柔不断で流されやすく、頼りない印象です。
表面的な優しさはあるけれど、芯が弱いので窮地に立たされると逃げてしまいます。気の合う仲間を大切にしますが、嫌いなひとやグループからは、さっさと身を引きます。とくに重責を負わされそうになると、泣きながら消えようとします。芸術や芸能活動であれば運気は高まり、不可能を可能にしてくれる能力を秘めています。
さて、次は廉貞でようやく紫微系が終わります。その次の天府と太陰は、すでに脱稿しておりまして、現在は貪狼を書いています。お読みになられましたらぜひとも評価とレビューをお願いします!
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