あの世、というのもが、あるのか?ないのか?
人は死んだらどこへ行くのか?これは怪しい話ではありません。昔から世界中の宗教が模索してきた問いなのです。この『死後の世界』観は、宗教によってさまざまな答えが用意されています。ちなみに仏教では、どう考えているのでしょう。
じつ仏教において死後の世界は明確な回答がありません。というよりも、立場によって考え方が異なるんです。簡単に言うと、仏教では3つの死後の世界観があります。ひとつ目は、人は死んだら浄土に行くという考え方。この浄土という場所は、生きている時のような苦しみがない、安らかに過ごせる場所のことです。
2つ目は、人は死んだら輪廻(りんね)するという考え方。仏教の輪廻では、人は死んだら六道(りくどう)のうちどこかに行く、という思想です。
天の世界、
人の世界、
修羅の世界、
畜生の世界、
餓鬼の世界、
地獄の世界のうち、どれかに生まれ変わるという思想です。このうちどこに生まれ変わっても、苦しみが続くと考えています。たとえ天や人に生まれ変わったとしても悩みや苦しみは消えません。この輪廻からの「解脱(げだつ)」が仏教の理想という価値観です。生きること自体が苦しみと考える思想が前提なのです。
そして3つ目は、死んだら終わり、という考え方。じつは釈迦は、死後の魂の存在について触れなかったという説です。そのため、そもそも仏教は死後の世界を想定しないという立場ですね。ちなみに日本の仏教では、死んだら浄土に行くという考え方が主流です。浄土宗や浄土真宗は、まさにこの考え方が教義の中心です。逆に、禅宗系は死後の世界に触れることは少ないようです。また、死んだら六道を輪廻するのは、人がこの世に生きている間にすべて経験する出来事です。
あの世、というのもがあるのか?ないのか?ないはずは、ない。きっと、あるのだろう。そう考えていた方が、死期を迎えたとき気持ちが楽になるだろうね。
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