真実がわかった人は、考えて理解したんじゃなくて素直になっただけ/コラム

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真実がわかった人は、考えて理解したんじゃなくて素直になっただけ

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いつだったかある女性を占ったとき、

廉貞(れんてい)
陀羅(だら)
天刑(てんけい)

という3枚のカードが出ました。

 これは、ぼくが考案した紫微斗数(しび・とすう)のタロットカードです。この3枚には共通して『蛇』の絵が描かれています。すると相談者さんは、「ちょうど昨日、蛇の夢をみました!」と驚いたんですね。こうした現象には、理由があります。

 タロットなどの卜占(ぼくせん)はたしかによく当たります。でも、それは実際に起こる事柄が、的中しているわけではありません。感情面が当たっているんです。たとえば「天候」は当たりません。なぜなら、天気には感情がないからです。タロットで当たるときは、感情的な結びつきがある場合です。

 どうして感情のつながりが必要なのでしょう。その答えは、人は占いに頼るとき、感情的になっているからです。本人の自覚があるなしに関わらず感情が高ぶっているのです。占う側も、それにあわせて感性で占う。同じ土俵に立って占い、話をすることで共鳴するんですね。

「感情」には、3つの層があります。
1.表層意識
2.中層意識
3.潜在意識
この3つです。

 相談者がどのレベルで話をしているのか。それをよく観察するのがプロのテクニックです。あまり難しく考えないで、慣れてくればできます。ようは、相手の感情レベルを意識することがポイントです。感情は移ろいやすいもの。けれど、その流れを追うことで、相談者が求める未来が次第に見えてくるのです。

 さて、もう少し突っ込んだ話をしましょう。

「転職したほうがいいですか?」
「結婚できますか?」


これって、よくある相談ですよね。就職試験に受かるのか落ちるか実際に結婚できるかどうか。これらは、あまり重要ではありません。

実際に起こる出来事ではなく、
「転職することが幸福なのか」
「結婚することが悦びなのか」

ここにフォーカスするんです。


 そして、その部分が驚くほど当たる。これ、けっこう秘伝で書籍には書かれていませんが、達人級の一流占い師は、この理論をよく知っています。実際の結果というより幸せを感じられるほうに導くそれがタロットの醍醐味です。初学者は、カードの意味をそのまま口に出す。だから的を得ないんです。プロは直感でスマートに言う。その場に適した言葉を機転を利かせて使う、それを「当意即妙(とういそくみょう)に答える」といいます。

 こういう話をすると、きまって「むずかしいですね」なんて言っちゃう人がいます。残念ですが、それが罠です。「あのね、簡単なんだよ」と言うと、「それは先生が特別な才能があるからですよ」などと返してきます。これは違います。たとえ初学者でも感性の高い人に話せば、「なるほど!そういうことなんですね」という返答になります。

「わからないです」
「むずかしいです」

と思うのは、感性が鈍いからであって、悪い頭で考えようとするからわからないんです。そもそも、わかるはずがない。わかっている人は、考えて分かったんじゃなくて、素直になっただけだから。「なるほど、そのとおりなんだ」と、心に吸収したのです。そういうものだから考えちゃダメなんです。


できるひと、成功するひとは頭で考えないで心に吸収します。バイアス(思い込み)がなく、経験で考えたりしない人が素直になれるんですよね。

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