アマテラスとスサノオにみる男女観
日本の神話を
読んだことがありますか?
古事記や日本書紀などに登場する
アマテラスという神さまがいます。
定説では、女性の神さまとして、
豊かな母性と慈愛に満ちた
太陽神として描かれています。
そして弟には、スサノオという
気性の荒い神さまがいました。
あるとき姉のアマテラスは、
弟の目に余る傍若無人なふる舞いに
業を煮やし、天岩戸に身を隠してしまいます。
太陽神が消えた世の中は、
暗黒の闇に包まれました。
そこで八百万の神々たちは、
「何とかお出ましいただこう」
と、戸の前で華やかに舞い踊り、
高らかに笑い合いました。
外の楽しげな様子が気になったアマテラスは、
思わずそっと岩戸を開けて垣間見た....その瞬間、
神々はアマテラスを外に連れ出すことに成功します。
そして無事、元の明るい世界に戻った、
という有名なお話です。
この岩戸神話では、
姉のアマテラスが、弟のスサノオの暴挙に腹を立て
身を隠してしまいますね。
これを現代に置き換えると、
男女間でありがちなシチュエーションだと思いませんか?
明るくて働き者の女性が、
飲んだくれてギャンブル漬けの夫に
我慢できなくなり、実家に戻ってしまう。
そんな設定は、ドラマだけでなく、
実話でもよくあるものです。
この神話には、
そんな男女の性質の違いが
よく描かれています。
まずひとつは、
男性が持つ攻撃性ですね。
スサノオは乱暴にふるまいますが、
男には本来『優劣をつけたい』とか
『勝ち負けをはっきりさせたい』
という強い欲求があります。
これは、
遺伝子に組み込まれた記憶と、
男性ホルモンの刺激によるものです。
他人に勝ちたいと思えば、
危険を冒すことも多いもの。
その時に感じるスリルを、
喜びと感じる男性も少なくありません。
しかし女性は、スリルよりも
平和や安定を求めます。
この神話でもアマテラスは、
母性と慈愛に満ちた神として
描かれています。
女性が、スリルより平和や安定を求めるのは
『子どもを産んで家庭を守る』
という社会的役割が長かったため。
そしてふたつ目は、
女性がもっている多様な好奇心です。
男性は、脳の一部を徹底的に使い、
ひとつのことにのめり込む傾向が強い。
それに対し、女性は左右の脳をまんべんなく使い、
さまざまなことに広く浅く興味を向けます。
裏を返せば女性の方が、熱しやすく冷めやすい。
たとえば、こんな経験はありませんか?
夫婦ケンカをしているところへ、
奥さんの友人から電話があります。
さっきまで、
「なんで分かってくれないの!」
と泣きながら抗議していた奥さんが
数分後に旅行の話題で盛り上がる。
岩戸神話の中では、
怒り心頭だったはずのアマテラスが
外の賑わいが気にかかり、
うっかり岩戸を開けてしまいます。
これも、女性が持つ
多様な好奇心のためなのです。
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