なぜ人は『いい人』になろうとするのか
恋愛の悩みも仕事の苦労も、
すべてはコミュニケーションが基本です。
コミュニケーションとは、
いわゆる「人間関係」です。
これまでも多くの人が考え、
たくさんの議論もされてきました。
それゆえ、対策や方法論も数多く、
つい複雑に考えてしまいがちです。
けれど、コミュニケーションって、
基本的に「受け答え」で成り立つもの。
質問や提案に対して答える。
ただ、それだけのやりとり。
難しく考えず、
シンプルにとらえてみる。
そのほうが、
意外と納得しやすいんです。
コミュニケーションっていうのは、
「相手」あっての手段です。
接する人にも、いろんなタイプがいます。
相手が「いい人」なら、わりとなんとかなる。
けれど、感じが悪い相手だと、
とにかく苦痛でしょうがない。
さて、
「いい人」ってなんでしょうかね?
ぼくはお弟子さんたちに、
「間違っても良い人にだけはなるなよ」
と教えています。
この価値観は今にはじまったわけではなく、
すでに10代の頃から固まっていましたので、
部活やバイトの後輩にも、
その意義を教えたりしていました。
「あの人って、いい人だよね 」
これって、よく耳にする言葉です。
あるいは、
「いい人なんだけどね…」
という使われ方もします。
じゃあ、いい人かどうかは、
相手の何を見て判断しているのでしょう。
ポイントは《表現のスタンス》にあります。
「この人、いい人だな」と感じる場合、
当の本人は、
「いい人だと思われたい 」
「嫌われたくない」
と考えていることが多いでしょう。
だから良い人は、
正論しか言わなかったりします。
たとえ本心は違っていても、です。
これは、相手から否定されたり、
批判されるのを恐れる心理が強いため。
自分を抑え、相手に合わせることで
自分も相手も傷つかずに済む。
つまり『無害の人』というわけです。
かといって、相手を立てたりはしない。
というのも、動機が
「いい人だと思われたい」
という欲求だからです。
つまり相手よりも、
自分にフォーカスしている状態なのです。
ですから、相手の話よりも
自分が言いたいことを優先してしまう。
あるいは、 自分の意見を遠慮して
相手に合わせて作り笑いをする。
なので、
「自分の意見がない人」
「八方美人なひと」
という印象を与えてしまいがちです。
そうした印象が強くなると
「もしかして、陰口言っているいかも」
「調子のいいことを言っているだけかも」
なんて、邪推されてしまう恐れもあるんです。
人って「欠点がない」存在に、
不信感を抱くものなんです。
『いい人』に思われたい意識とは裏腹に、
周りからは信用されず、
軽く見られてしまうわけです。
「理解されたい」と願うあまり、
逆に誤解を生んでしまう。
「いい人」には、
こうしたデメリットがあるわけです。
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