「自分」の他人化計画
「他人の目が気になって人前でうまく話せない」
という悩み相談がありました。
日本人は、他人の目を気にする。
そんな傾向があります。
日本の歴史を見れば、その原因がわかります。
鎖国が長く続いてきた島国日本。
「村」単位でのルールを基盤として
周りと協調することが重要だった。
出すぎた真似をせず、
自分を押し殺して生きていく必要があったわけです。
だから日本人は、
すごく他人の目が気になる。
ちなみに、キリスト教文化では、
他人の目より『神の目』を気にします。
では、ぼくたち日本人が
他人の目を気にしてしまうのは、
しょうがないのでしょうか?
どうすれば他人の評価を気にせず、
自由になれるのでしょう。
緊張したときは、
いったん「自分」から離れることです。
そして「他人の目」で自分を見つめてみる。
「自分がどう思われるか」
という感覚をやめるんです。
そして、
「他人が自分をどう思うか」
と考えるのです。
似ていますが、根本的に違いますよ。
言葉のアヤでもありません。
人目を気にしちゃいけない…
と思えば思うほど、
「本当は変な人だと思われているのではないか」
なんて勘ぐってしまう。
そうやって、ネガティブな妄想が膨らむと、
ついには、
他人の心が分からなくなってしまいます。
おそらく《きまじめ》からくるのでしょう。
根が真面目だと、
どうしても苦しく考えてしまう。
どうせなら、もっと積極的になって
「他人がどう思うか」を考えたほうがいい。
自分で自分のことを、
「この人、変わった人だな」
と思ってしまえばいいんです。
客観的に、自分をそう捉えて
笑ってしまうのです。
「変だけれど、そこが可愛い」
と思ってしまうことです。
自分のことだと思うから、
重大に考えてしまう。
でも、視点をかえて他人事にする。
すると何とも思わないでしょ?
他人を怖れてしまう人は、
自分の臆病さを他人に悟られたくない。
そして、必死に隠そうとする。
ところが、他人にとっては、
そんなのどうでもいいことなのです。
人は、他人のどんなところに、
興味を持つかを知りましょう。
他人からみれば、
「何を楽しんでいるか」
「どんな生きがいをもっているか」
ということに興味はあっても、
「何を怖れているか」
という興味なんてないんです。
そうやって考えてみると、
他人の目を気にしたり、
人の眼を怖れていることが、
とても滑稽に感じるでしょう。
自意識を捨てることで、
自分を自在に活かすことができます。
ただし「自分を捨てる」とは、
自分の価値を否定するという意味ではありません。
他人の立場になって考える。
それだけでいいのです。
自分に自信を持つために、
とても重要なことです。
顔についた汚れって、
鏡がないと見ることができませんよね。
ですから、つねに心に鏡を持つわけです。
他人の立場になって自分を見ること。
それは、自分自身と向き合うことなのです。
誰かのために何かをしてあげるときもそうです。
「どうすれば喜んでくれるか」
それだけを考える。
自分が言いたいことではなく、
相手が言って欲しそうなことを言う。
他人の喜びを、
そのまま自分の喜びとする。
それができれば、
喜びは何倍にも増えます。
「他人の目で自分を見る」ことを心がければ、
堂々と接することができます。
その結果、他人から認められ、
自信も生まれてくるのです。
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