死人数(?)
日本は「言霊」という思想があります。
「げんれい」とも呼びますが、基本的には「ことだま」と言います。
『敷島の大和の国は言霊の幸(さき)はふ国ぞ真幸(まさき)くありこそ』
日本の国は、言霊(ことだま)が幸いをもたらす国なのです。
私のこの言挙げによって、どうぞお幸せでご無事でいて下さい。
まぁ、そんな意味ですね。
これは、柿本人麻呂の万葉集巻の返歌です。
古来より、大和国では、言葉を発することで、
いろいろなことが起こると古来より考えられてきました。
しあわせな言葉を発すれば幸福が訪れ、
悪しき言葉を発すれば、災いが起こる……と。
ぼくは「紫微斗数(しびとすう)」という中国占術を使います。
これを、知らない人が初めて聞くと、
「死人数」に聞こえます。
考えようによっては、
「死人の数を数える占術」
ともイメージできますよね。
ただしくは「シビ」と「トスウ」に別れます。
「しびと」ではなく「しび」あるいは「とすう」と読んでください。
シビを紫微と書きます。
紫微は「北極星」を指します。
「しび」と聞くと、日本人は「鴟尾」を思い浮かべるでしょう。
鴟尾(しび)とは、瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾りの一種ですね。
訓読みでは「とびのお」と読みます。
沓(くつ)に似ていることから沓形(くつがた)とも呼ばれています。
その起源についての定説はありません。
中国の唐代の文献では、
「海中に住み、よく雨を降らす魚」
とされております。
インドの想像上の動物である摩伽羅(マカラ)を表わした、という説もあります。
鴟尾の語源や意味は明らかでなく、
一種の魔除けとして屋根に置いたと考えられます。
寺院や仏殿などによく用いられています。
後漢以降、中国では大棟の両端を強く反り上げる建築様式が見られ、
これが中国の大陸で変化し、
3世紀から5世紀頃に「鴟尾」となったそうです。
唐時代末には鴟尾は魚の形=鯱(しゃち)へと変化しました。
鯱といえば、しゃちほこ。
しゃちほこ、といえば名古屋城の金の鯱が有名ですね!
火除けの禁厭(まじない)にしたといわれています。
また鮪(しび)はマグロの別称でもあります。
とにかく、高級なお魚という意味なんですね。
taka
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