東の気学、西の推命
日本人は良い意味でポリシーが薄いところがあります。
それは占術の普及傾向にもあらわれています。
かつて
「東の気学、西の推命」
という言葉がありました。
これは
「九星気学は東京で流行り、四柱推命は関西で定着している」
という意味です。
明治時代に阿部泰山が
関西で四柱推命を広め、
大正時代に園田真次郎が
九星気学を関東で広めました。
それゆえ関東と関西では、
占術のニーズが若干違うのです。
この四柱と気学は、
基本的に相性が悪いようです。
四柱の占術家は、
気学を低級占術だと揶揄したりします。
しかし気学家は、
残酷な判断で救いのない四柱を嫌う傾向にあります。
ところが最近、その関係が崩れてきました。
ぼくは鑑定をする際、主に紫微斗数を使います。
その理由は、細かく当たるし、
可能性を引き出しやすいからです。
が、研究会やレッスンでは、
四柱推命から姓名判断、周易、断易、六壬神課、タロット、
そして九星気学まで幅広く教えています。
関西や中部の四柱推命家が、
よく紫微斗数を学びに訪ねてこられます。
そして、ついでに気学を教えると
「なるほど、気学にはそんな使い方があるんですか」
と感心されます。
また、関東の気学家も
紫微斗数を習う人が増えていますから、
話しの流れで四柱推命の話をしますと
「四柱って意外と面白いんですね」
という具合に、興味を持っていただけます。
易にしても、
周易と断易と六壬易とでは、
概念も使い方もまったく異なります。
とくに周易と断易は、
お互い反目する傾向がありました。
しかしここ最近、周易家に六壬を教えたり、
六壬家に断易を教えたりすると、
すんなり入って来るようです。
流派を越えた占術の普及という使命は、
日本人というフレキシブルな民族だからこそ
成せる業なのでしょう。
中国で生まれ台湾で育った数々の東洋占術を、
我々がこうして普及しているのも、
じつはシンクレティズム(重層信仰)を持つ
日本人の使命なのだと強く感じています。
taka
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