日本は木(気)の国
昔から「日本は霊の国」と言われています。
霊とは「気」であり、
気とは「木」でもあります。
それはまず建築に現れています。
日本は木造建築が多いですが、
欧米は天然石と人工石ともいうべき
セメントや模造石が主流です。
また楽器にしてもそうです。
琴や三味線をはじめ笛など、
木と竹が主となっています。
日本は草から作られた畳の上に寝起きするに対し、
欧米は獣毛で作られた絨毯などを敷いていたりします。
また「気」は「火」でもあり、
「陽」でありますから男性的。
その意味によって昔の日本は
男性が威張って、
女性はおとなしい風潮でした。
ちなみに、
日本人の主食である米は男性の陰部、
欧米の主食である麦は女性の陰部とシンクロしています。
陰陽で分けるなら、米は陽であり、麦は陰となります。
植林と木材に関する日本最古の記録は「日本書紀」にあります。
そこには四十種類以上もの樹木が記録されています。
スサノオノミコトが、
「スギとクスノキは舟に、
ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。
そのためには、たくさんの木の種をみんなで播きましょう」
と教えたそうです。
縄文時代から弥生時代を経て、
現代に至るまで、
木はさまざまなかたちで生活に関わってきました。
住宅をはじめ、農具や食器などの生活道具から、
工芸品や燃料まで、
生活文化を代表するものの多くが木製でした。
現代は、鉄やコンクリート、
プラスチック、セラミックといった素材が使われますが、
木材は今なお、建築をはじめ、
紙や家具などの用途で使われています。
世界文化遺産に登録されている東大寺の大仏殿は、
高さ47.5m、広さは約2900㎡もある
世界最大級の木造建築物です。
直径約1m、長さ約30mルの丸太を84本も使っています。
世界最古の木造建築物である法隆寺は、
ヒノキで建てられており、
1300年経った現在も維持されています。
宮大工に聞くと
「千年上経てもヒノキを削ればよい香りがするし、使うこともできる」
とのことです。
それに比べて鉄やコンクリートにはそれほどの耐久性はなく、
せいぜい百年程度と言われています。
木は伐られたときに第一の生命を経ちますが、
建物に使われることで第二の生命が宿り、
それから何百年もの歳月を生き続ける力を持っています。
ひとり当たりの森林面積は0.2ヘクタールとわずかですが、
日本の国土の3分の2は森林で(森林率67%)、
じつに先進国でトップクラスです。
そんな「木の国」日本なのに、
どうゆうわけか木材輸入は、
アメリカ、中国に続いて世界3位なのです。
その最たる原因はコスト面です。
1960年頃、インドネシアとニュージーランドから
安い輸入材が出回りました。
さらにブナやナラ、スギといった
国産木材の生産量が急激ダウンし、
国産木材の価格が大幅に上がってしまったのです。
そして現在の木材自給率は24%までに落ち込みました。
それを危惧した政府は、
今後10年で50%まで引き上げる目標を掲げているようです。
taka
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