観想法の心得
観想や瞑想には
さまざまな方法があります。
が、
その共通点は、
瞑想中に意識を集中させる「定点」を
決めておくということです。
たとえば、マントラ(真言)や
祈りの言葉を唱えることが
定点の場合もあるし、
呼吸に意識を集中させることが
定点の場合もあります。
「今はこれを考え続けるのです」
という定点を決めていないと、
マインドはすぐに退屈になって、
他のことを考えようとします。
瞑想を邪魔する雑念が
自分でも気づかないくらいに湧いてきます。
気にかかっている懸案事項であったり、
何か感情を伴う情報であったり、
音やイメージの断片だったりします。
でも、定点が決めてあれば、
思考の動きが観察できるようになるわけです。
すると今度は、
もっと深いところにある過去の懸案が
思考の場にあがってきて、
過去を再体験し、
解釈のやり換えなどが起きます。
そのときは、見守っているだけでいいのです。
思考は、
「欲」で動いているのです。
食欲や睡眠欲のような肉体が出した欲は、
肉体が満足すれば欲を取り下げるので、
止まります。
しかし概念的な欲はキリがないのです。
欲に振り回されて思考が暴走することが、
気分を悪くする原因ですから、
思考を走らせている欲の止め方を
知っている必要があるのです。
自動車のエンジンは
「吸引」「圧縮」「爆発」「排気」という
4つのストロークで動いています。
それと同じように人間の欲も
「取得(get)」
「比較(compare)」
「保持(hold)」
「向上(more)」
の四つの要素で動いているのです。
それは、つまり
「取って」
「比べて」
「ため込んで」
「もっと」
という思考パターンです。
車のエンジンも
4つの働きのどれか1つを止めれば
全体が動かなくなります。
それと同様に、
欲も、
4つの要素のどれか1つを止めれば、
他の3つも動かなくなるわけです。
つまり観想や瞑想というのは、
自分の思考を
意識的にスローダウンさせることです。
taka
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