亀卜のヒビ割れから占星術へ
自然にあらわれる「前兆」
これが占いの素朴な形であり、占いの根源です。
しかし、前兆占いだけでは、
自然にあらわれる現象を待つしか、
未来を知る手段がありません。
しかも仮になんらかの前兆があっても、
範囲が広すぎてはたして何の前兆か特定するのが困難です。
そこで古代の知恵者は、
ただ待つのではなく、自分から未来を知る方法を探しました。
シンクロニシティが出現できる道具を使って、
自分たちで「前兆」を得られるようにしたのです。
まず古代の占い師は「知りたいこと」と同調させて
「亀の甲羅」を焼き、
甲羅に入ったヒビによって未来を読みました。
このヒビの象形が「卜」であり、
それを「口」で伝えるため「占」という文字が生まれたのです。
もちろん、占いの道具は、亀の甲羅でなくてもかまいません。
鹿の骨なども使われていましたし、
古代メソポタミアでは動物の臓物で占ったりもしました。
また、水晶玉を集中して見つめることで、
中心に白い煙のようなものが見え、
それをもとにイマジネーションで占ったりもします。
前兆が起きるのを待つのではなく、
みずから現象を起こすことによって、
知りたいときに未来が占えるように進化したのです。
けれど、亀卜には大きな欠点があったのです。
亀卜のヒビ割れは、そのパターンが膨大すぎて、
何の「しるし」なのか煩雑なのです。
これは水晶玉の煙もおなじです。
厳密にいえば、ひとつとして同じヒビ割れはないのですから。
こういった原始的な占いは、
けっきょく占い師の直感が決め手となります。
つまりその占い自体は、未来をはっきりと示すものではないのです。
未来を示す印しのパターンが無限な亀卜をさらに進化させるため、
知恵者が編み出したのが占星術です。
いくつかの星と12の宮で構成されている世界観によって、
起きる状況を限定しました。
そして、自分が知りたいことが、
どの状況に当てはまるのかを占うことが可能となったのです。
そのおかげで、ヒビ割れ模様で悩む必要もなくなりました。
古代中国の知恵「易占」も、
占星術と同じように、世界をいくつかに分類してあるので、
どの状況にあるかを端的に調べることができます。
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