感情や本能からの支配に気づこうとするトレーニング/コラム

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感情や本能からの支配に気づこうとするトレーニング

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苦労が絶えない人や感情の起伏が激しい人は、ゼロか100か、イチ一かバチか、やるかやらないか的な価値観が目立つのです。白か黒に分けてしまう、「グレー」がない価値観のことを白黒思考と呼びます。

極端に「良い・悪い」で決めて、中庸がありません。白黒思考の人は完璧主義になりがちなので、パニック障害や摂食障害になったりします。また、そもそも発達障害だと中間を考えることが苦手で、白黒思考になりやすいです。

白黒思考になるのは、分断本能を持っている、と言われます。1つでもうまくいかなかったら、すべてがダメだと思ってしまう。他人を「いい人」と「悪い人」のどちらかで分けて考えてしまう。ものごとを「勝ち」か「負け」で評価してしまう。これが白黒思考です。

そもそも人間は複雑に考えるのが苦手で、なんでも2つに分けて決めつけがち。でも実際は、世の中は2つに分けられません。多くのものはグラデーションで、2つに分けられないものばかり。さらに人は、単純化本能をもっています。単純化してくれる人や断言してくれる人を好む傾向です。「これはこう決まっている。だからこうしなさい」と断定する人が一般層に蔓延しています。

そういう人は「誰か」に責任を追求したり、原因をひとつに求めたがります。本来の原因を別の問題にすり替えてしまうので、「家族仲が悪いのも私のせい?」となって摂食障害になったりします。

どうして、このようなになるのか?それは、論理的思考が苦手で、感情や本能を優先させるため、合理的な行動が不得意だからです。人間の脳は大脳皮質よりも先に、感情や本能が優先されるのです。瞬時に何かを判断しようとしたとき、本能に従った方がよかったりしますが、合理的な行動は取れません。

合理的な行動ができないのは、無意識に支配されているからです。それを心理学でバイアスと呼んでいます。無意識の行動に気づくことが大事です。つまり、気づくためのトレーニングで白黒思考は改善します。

人間は合理的な思考は苦手だから、自分の感情に訴えないと幸せは感じにくいです。人間が感じる問題には大きな問題と小さな問題があって、まずは大きな問題を消そう、小さな問題は後回しでいい…という価値観になることです。とにかく感情や本能からの支配に気づこうとするトレーニングです。

白黒思考になりやすい人は、ある思考トレーニングをしてください。たとえば、批判や注意をされた場合、いろんなシチュエーションで考えを分けるのです。

相手がちゃんとした人で、自分に非がある場合ならば、謝れば許してくれる。
自分に非がなくて、相手がちゃんとした人なら説明すれば理解して謝ってくれる。
相手が悪い人で、自分に非がある場合、トラブルに発展してもしかたがない。
自分に非がないけれど、相手が悪い人の場合、これは相手の問題なので気にする価値はない。

このように分けて判断できれば混乱や不安に陥らないのです。

この基本を理解して、さらに複雑になりますから、「この場合はどうなんだろう?」と、冷静に考える思考力を身につけることです。すぐに身につく能力ではないので日々考えて成長してください。

白黒思考になりやすい人はこうした思考力が弱いはず。ですから、白黒思考をやめるためには、思考力を鍛えるのです。


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