小室哲哉さんを紫微斗数で占うと『命無の天機太陰』です。
さて、シリーズ化しつつある《紫微斗数を使っての有名人考察》
今回、題材として取り上げるのは
音楽プロデューサーの小室哲哉さんです。
1958年11月27日、東京都生まれの54歳。
音楽プロデューサーとして作詞、作曲、編曲なども手がける
マルチな才能を持つ男性です。
『TMNETWORK』でキーボーディストとして活躍し、
それと平行して数々のミュージシャンに楽曲を提供されました。
提供楽曲がオリコンシングルチャートでトップ5を独占したり、
4年連続でプロデュース曲が日本レコード大賞を受賞するなどし
『TKブーム』という社会現象まで巻き起こした音楽業界の大人物です。
1996年には、ようやくブームも低迷し2000年には終息しました。
2002年3月に入籍するも、結婚生活わずか10ヶ月間でのスピード離婚。
2006年には5億円詐欺事件で逮捕され、3000万円の保釈金を支払い保釈。
2010年5月に復帰第一作として『AAA』の楽曲をプロデュースし、
その翌月には歌手の森進一さんへの提供楽曲が発売。
これ以降もSMAPや超新星、浜崎あゆみさんへの楽曲を提供されています。
類希なる才能を持ちながら、波瀾万丈の人生を歩む
日本のトップミュージシャンの命盤、気になりますよね?
さっそく考察に入りましょう。
いつものように三方四正から考察していきます。
まずは命盤の中心、命宮から。
なんと命宮には主星が無いんですよね。
あるのは哲学、宗教の星『天空』と古典芸能の星『龍池』です。
小室さんは、以前とり上げた浜崎あゆみさんと同じ『命無星曜格』になるわけです。
この場合、対宮の遷移宮の影響を7割程度うけます。
次に、第一印象や営業運をあらわす『遷移宮』の状態。
遷移宮には知恵と学問の星『天機』、感性と芸術の星『太陰』、
天空と双子の凶星『地劫』、星の性質を助長する作用を持つ『天馬』、
そして化権に化忌、自化科が入ります。
化忌や地劫、天空は本来凶星であり、物事を悲観的に捉えやすく、
神経質で嫉妬深くなるなどの傾向がありますが、
小室さんのようなアーティストだと、
逆に凶星の力がプラスに働いてきます。
主星も天機・太陰といった学問や芸術を司る星です。
小室さんにとって、アーティストはまさに《天職》といえるでしょう。
続いて、『官禄宮』で仕事運を考察します。
人気運の象徴『太陽』が入っています。
太陽が象徴するように、小室さんの仕事はかなり華やかですよね。
と同時に、トラブルの星『羊刃』、孤独の星『天刑』も入り、
命宮からの化忌が飛星します。
スポットライトを浴び、注目を集める反面、
トラブルやスキャンダル、自らの失敗で人気運を下げてしまう、
マイナスの暗示もあります。
財の動きを見る『財帛宮』はどうでしょう。
財帛宮には研究の星『巨門』と、激動の星『火星』、
色情の星『天姚』がいます。
巨門は「自分の技や技術を磨くことが収入になる」ことを表しています。
財帛宮の火星は、出費が激しさを、
天姚は異性関係にまつわる出費をあらわしています。
金銭面ではかなり注意が必要なようです。
さて、時期の考察に入りましょう。
まずは21歳から30歳までの大限運です。
10年間の総合運をあらわす命宮には、
『天同』『自化禄』『陀羅』が入っています。
凶星の陀羅がいるので要注意な時期ですが、
陀羅の輝度(力量)が高く、
天同や化禄にはそれぞれ《解厄作用》も備わっているため、
凶作用は充分に抑えられると判断できます。
官禄宮に入る『地劫』と『化忌』の存在が気になります。
さらに官禄宮から化忌を飛ばすと、命宮を直撃します。
この時期は変動とともに《仕事関係でのトラブル》があるとみてよいでしょう。
実際に、1983年(25歳)に「TM NETWORK」を結成するまでは、
バンドを結成しては解散するといった、心労の多い時代だったようです。
そんな大限運(10年運)も終わりに近づく頃、
ようやく希望の光が見えだします。
大歳運(1年運)をみてみましょう。
まずは1983年に結成したバンド「TM NETWORK」のシングル、
『GETWILD』をヒットさせた、1987年です。
この年の命宮は「卯」です。
なんと、星がひとつも入っていません。
命宮に星がない場合、向かいの対宮の状態が重要となります。
対宮には帝王の星『紫微』と芸能の星『貪狼』が入り、
なんと『化禄』という大吉星が付きます。
この1年間は、吉星が目白押しです。
さらにライバルや同僚との関係をみる『兄弟宮』には、
慈愛をあらわす『天同星』が入り、
最大の吉星である『自化禄』がつきます。
これだけの条件が重なれば、評価や名声が高まるのもうなずけます。
とはいっても、やはり命宮は《カラッポ》の状態。
日本レコード大賞の受賞や数々のミリオンセラーは、
「自分のやりたい音楽で成功を掴んだ」というよりも、
「リスナーのニーズに答える音楽で成功した」
といえるのではないでしょうか。
では、次の大限(31歳~40歳)考察に移ります。
命宮にはサムライの星『武曲』と、変動の星『破軍』、
財庫の星『禄存』に芸能の星『紅鸞』がいます。
破軍は、良くも悪くも極端な変動をあらわす星です。
武曲や禄存といった安定の星もいるので、
ある程度の歯止めは効きますが、
環境や人脈の変化は免れないでしょう。
その反面、武曲と破軍の組み合わせは
《勝負強さ》という意味もあります。
流行をとらえ続ける必要のある音楽業界においては、
非常に有利な時期といえます。
他の三方四正をみていきます。
財帛宮には勝負師の星『廉貞』、開拓者の星『七殺』が入ります。
副星では、双子の吉星『左輔・右弼』と『文昌・文曲』など吉星が集結し、
発財するには充分な要素がそろっています。
遷移宮は『天相』に『天喜』が入り、
官禄宮も『紫微』と『貪狼』に『化禄』がつき、
芸能活動にはふさわしい時期。
この時期、小室さんの活躍にはめざましいものがありました。
自身のバンド活動に収まらず、
様々なアーティストのプロデュースを手掛け、
いわゆる「小室ブーム」という社会現象まで引き起こしました。
しかし、飛ぶ鳥をおとす勢いの小室さんにも、この大限運の終焉とともに、
次第に陰りがみえてきます。
いつしか、ヒットヒットチャートの上位を占めるようになってきた、
《非小室系》と呼ばれるJ-POPアーティストの存在。
それにともなって《小室ブーム》の衰退がはじまり、
終焉を迎えたのが2000年の出来事です。
この年(辰)の命宮には、安定の星『天同』が入り自化禄が付きます。
トラブルを意味する凶星『陀羅』もいますが、
天同と化禄には凶作用を弱める《解厄》の力があるので、
最悪の事態は免れています。
財帛宮も遷移宮もまずまずの状態ですが、問題となるのは官禄宮。
『天機』『太陰』に『化権』や『化忌』などがつき、
副星では、天馬と地劫がいます。
環境の変化にともなう、困難や挫折の暗示です。
さらに財帛宮からの化忌が命宮に飛びます。
金運は悪くはありませんが、収入の減少が本人を苦しめるわけです。
幸いにも命宮の状態が良いので、一大事には至らなかったようです。
とはいえ、この年は小室さんにとって、
まさに試練だったといえるでしょう。
次に元妻のASAMIさんと離婚した2002年の運勢。
午年ですから午宮を見ます。
この年の命宮には、カリスマ性の星『太陽』をはじめ、
争いの星『羊刃』に孤独の星『天刑』が入ります。
人気運の低迷とともに、精神的な苦痛と別れのある暗示が出ています。
さらに財帛宮に主星がなく、失財をあらわす『天空』が入っています。
そればかりか、対宮には損失を表す地劫、最大の凶星『化忌』までが入り、
まさに四面楚歌の状態。
金銭面では相当な苦労がうかがえます。
このとき小室さんは離婚したASAMIさんへの慰謝料として、
約7億円を分割で支払っていましたが、
資金繰りが悪化したため、2004年頃には滞りをみせていたそうです。
所有していた別荘や株、高級車やクルーザーなどの資産を売却し始めたのもこの頃。
約70億の株式評価の損失があり、自らの会社の経営から手を引いています。
それに際して、
「98年からの10年間はなかなか曲が出てこなかった」
「やれることはやりつくした気がして貪欲になれなかった」
など、モチベーションの低下について語っています。
心底苦しんでいた様子がうかがえるコメントです。
彼の試練はまだ続きます。
1時期世間を騒がせた『5億円詐欺事件』で逮捕され、
有罪判決が下された2009年。
命宮には『廉貞』『七殺』が入ります。
意外にも、副星は『左輔・右弼』『文昌・文曲』と吉星ばかり。
他の宮にも凶星は無く、一見かなり良好にみえますが、
なんと財帛宮と遷移宮からの化忌が、ダブルで命宮に飛びます。
加えて、この1年限定の「太歳化忌」、
10年運の「大限化忌」もつきます。
4つの化忌による苦しみは、想像を絶するものでしょう。
金銭面、営業面など、様々な方面でのトラブルが予測されます。
人によっては生死にも関わるほどの凶運となります。
しかし幸いにも父母宮、兄弟宮から命宮に化禄が飛びます。
これが《救いの手》となります。
試練は多いでしょうが、周りからの強力な支援があるわけです。
ちなみにこの時、被害者側への解決金6億5000万円は、
エイベックスグループ社長の松浦勝人氏が立て替えています。
SNSでは『小室哲哉の復活を願う会』というコミュニティが立ち上がり、
復帰を期待するファンや関係者によって減刑を望む声が高まりました。
この時の判決は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決でしたが、
ファンや音楽関係者たちの声が無ければ、
刑期はもっと長引いていたかもしれませんね。
それでは最後に、
ミュージシャンとしての再出発を果たした2010年の考察です。
この時期の大限(10年運)は未の『奴僕宮』になります。
安定の星『天府』と、援助者の星『天鉞』が入っています。
遷移宮は廉貞七殺、左輔右弼に文昌文曲とかなり良い状態。
ゆるやかな運気の復活が期待できる暗示です。
2010年は寅年なので「寅宮」をみます。
ちょうど命宮の年ですよね。
命宮の年は「自分らしさを取り戻す」という意味合いがあります。
翌年も星がなく、対宮には紫微貪狼に化禄。
そして次の年が天同の自化禄。
少しずつ回復している兆しです。
では最後に、小室さんの今後の成功を願って、
今年の運気の考察です。
今年は巳年です。
命宮は武曲破軍ですが、それぞれ命宮から化科と化権が飛星します。
さらに副星は紅鸞と禄存。
吉星のオンパレードなんですよね。
しかも破軍には、1年間限定の『化禄』もつきます。
「過去を清算して大躍進するチャンス」といえるでしょう。
去年の東日本大震災復興支援でTM NETWORKとして参加し、
約4年ぶりの活動再開を果たしたことも含め、
今後の活躍は十分期待できそうですね。
いかがでしたでしょうか?
今回の小室さんのように、三方四正に凶星が多い人は、
確かにトラブルや困難の多い人生になる傾向があります。
しかしその反面、単類希なる才能や、
多大な影響力を持っている方が多いのも事実です。
一概に「凶星が多い命盤が悪い」とは言えないのです
ここが紫微斗数における解釈の面白いところなんです。
長くなりましたので、今日はこのへんで。
中島多加仁
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