2008年3月/コラム

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2008年3月

女性と男性の占い観

女性は「興味をもつ動物」

男性は「恐怖を持つ動物」
と、ぼくは考えています。

女性は、ほとんど無条件で占いが好きです。

よっぽどのことがなければネ。

しかし男性は、あまり占いを信じません。

というか、このぼくでさえ信じていませんから。

紫微斗数にかぎって言うと、実際に「そのとおり」だから、疑う余地がないだけなんです。

でも、そこに書いてあるデータを、すべて「信じて」いるわけではないのです。

いかに紫微斗数が優れていると言えども、
いくつかの欠点があります。

あたりまえですよね。この世に完璧なものなど、存在しないのですから。

ぼく自身、いままでも、いろんな占い師の鑑定をウケて、

かなりハズれた体験を多く持っています。

 

それだけ占いは、けっこうハズれるものなんです。

だから男性の多くは、占いなんて信じないのです。

なぜ、評判の占い師のはずなのに、
はずれてしまったりするのか!!

それは、とても書きがいのあるボリューミーなテーマなので、

いずれ時期が来たら書いてみたいとおもいます。

また、占いを信じるような奴は「軟弱い」という風説がありますね。

「自分のことは自分できめる!」

これが一般的な男性の理想像ではないでしょうか。

しかし、一生サラリーマンの平社員で終わる人ならそれでよいですよ。

会社経営者とか、グループを束ねるリーダー格になると、そうも言ってられません。

自分の経験や知識など、とても頼りにならないほど、

「ひとを使う」ということは難しいのです。

 

また、事業というものは、すべて博打のようなものなのです。

だからリーダーとしての才覚を期待されているクラスの男性には、

どうしても本格的な占術は欠かせないのです。
リーダーだけではありません。

この世知辛い世の中を、自分ひとりの力で生きていかねばならない
フリーランスという立場や、

専門職、アーティストなどは、
とくに、眼に見えない存在との対話のなかで、

今の自分をさらに磨き、より先を明るく見据えなくてはなりません。

そのためには、一刻の猶予も許されず、無駄な努力は避けて通りたいものです。

ここでいう本格的な占いとは、かつて「兵法」として採用されていた
四柱推命(子平八字)、

奇門遁甲(八門遁甲)、
そして断易(六爻占術)、六壬神課などであって、

けして世間で流布されている亜流の占いではありません。

 

それと、もうひとつ大きな点は、
冒頭でも述べたように、

女性と比べて男性は恐怖心が強いのです。

だから、根拠もなく当てられると不快に感ずるのです。

しかも、あてられたらマズい秘密もたくさんありますしね。

「あなたの彼は、いま浮気している」

なんて言われたら、男に取って迷惑ですよね。
事実の場合が多いですからね。

けれどご安心下さい。
ほとんどの占い師がズバリ断言するときは、

まずハズれそうにないことを、あてずっぽに言っているにすぎないのです。

だから、そのときは
「いいえそんなことはありません」
と泰然自若としていればよいのです。

女性は、自分の秘密を知られるのが快感ですが、
男性にとっては、気分が悪いのです。

しかし紫微斗数による命盤鑑定は、
女性はもちろんですが、

とくに占いに興味のなかった男性でも、
わりと満足して下さるんです。

その理由は、やはりその性質がとてもシステマティックだからだと思います。

杓子定規的な脅し文句を並べたり、

「絶対こうしなさい。そうしなければ不幸になります」

といった強要はありません。

その前に、占い師のモラルの問題もありますけどね。

 

悩んでいるときや、重要な問題を占う場合、
信用できるひとから紹介してもらって、

まず、きちんと自分の状態を理解してくれた上で、占ってもらうこと。

なぜなら本格占術というものは「あてる」ことが目的なのではなく、

「幸せに導く」もしくは「成功の鍵」をプレゼントするために
構築されたシステムだからです。

そこをよく認識できている占い師がまわりにいれば、
幸せな人が増えるんですけどね。

 

taka

西洋占星術から紫微斗数まで

占星術・・・というと、まず西洋占星をイメージしますよね。

いわゆる『星占い』。それが西洋占星術です。


いまでこそ、テレビを見ても雑誌を開いてもかならず眼につく星占い。


しかし数十年前の日本の若者たちに、

「西洋占星術って知っていますか?」

と質問したら、ほとんどのひとが首を傾げたでしょう。


それくらい西洋占星術は、

当時の日本人にはめずらしい占いでした。


その証拠に、どの雑誌を開いても、新聞を開いても、

星占いコーナーは、当時まだ存在していなかったのです。


西洋占星術を有名にしたのは、

昭和41年に出版された1冊の単行本でした。

門馬寛明氏の『西洋占星術』(光文社)がベストセラーとなったからです。


それによって西洋占星学は、一躍注目の的となり、

あっというまに占術界のメインとなりました。


さて、その歴史の裏を覗いてみると、

37年ころから興った『第一次占いブーム』 と呼ばれる動向が見逃せません。


黄小娥氏の『易入門』、

そして浅野八郎氏の『手相術』が、

それぞれ同じ光文社から刊行されていたのです。


両書とも大ベストセラーとなって話題でした。


そこで光文社『占いシリーズ』の第3弾として白羽の矢が立ったのが

神秘性とわかりやすさとを備えた『西洋占星術』だったわけです。

とくにここ数年になって、

鏡リュウジさんの女性誌を中心にした活動が功を奏し、

西洋占星術の占い師がたくさん輩出されるようになりましたね。


その結果、

女性誌にはかならず『星占い』のコーナーが常設するようになり、

やがて一般誌へも波及しました。


さらには、TVや新聞でも『星占い』を扱うようになって、

メディアの占いといえば『占星術』という扱いになりました。


いまでは、日本人で西洋占星学を知らない人はいませんよね。

いつのまにか、自分の生年月日と同じような感覚で

『自分の星座』を言えるようになったのです。

ところが歴史を紐解いてみると、

なんと今から1100年以上も昔に、

西洋占星学の原型が、すでに日本に渡来していたのです。


時代は、空海をはじめとする遣唐使が活躍していたころ。

日本の文明の基礎をつくった人たちがたくさん輩出された時代ですね。


平安時代の貞観7年のこと。西暦では865年です。


唐から帰国した僧侶が、

ギリシャの『テトラビブロス』という

占星術の原典となる漢訳書を持ち込んだのです。

平安時代といえば、

まさに安倍晴明で知られた陰陽師が活躍した時代。


つまり国家あげて、神秘学を政治や経済に取り入れようとしていたのです。


しかし鎌倉時代を経て、室町、江戸と流れるに連れて、

完全に命脈が絶たれてしまったのです。


日本に再び西洋占星術がよみがえったのは、大正3年のこと。


『天文ニ依ル運勢予想術』

という本が出版されました。


けれども、この本は難解だったので、一般には普及しませんでした。

ちなみに、その本では『占星学』と呼ばず、

『考星学』という名称が使われていたのです。


さて、平安時代に西洋占星術の文献を用意してくれたのは中国でした。

その中国では、西洋占星術をうまく中国風にアレンジしました。

それが『七政四余』です。「しちせい-しよ」と読みます。


それまで中国では、徐子平が生んだ『子平八字推命』が占いのメインでした。

日本では、「四柱推命」とか「淵海子平」と呼ばれている優れた運命術です。

              ↑(えんかい-しへい)


その四柱推命、つまり「子平八字」と占星術とをあわせて

『星平会海』という複雑な占いへと発展させたのです。

 ↑(せいへい-かいかい)

そしてついに中国の占術家は、

七政四余や星平会海を基本にして、

占星学を完璧に東洋化した『紫微斗数』を誕生させるに至りました。

西洋人と東洋人の違いが、それぞれの占法の性格によく現れています。


その精密度や適格性も、われわれ東洋人にとって有利なものとなり、

しかも詳細な用件に対して判断できるようになりました。


にもかかわらず、これらの占星術が日本で流行しなかった最大の理由があります。


それは、 生まれ時刻が判っていないと命盤を作成できないことでした。


とくに当時の紫微斗数は、

110個もの星を採用していたために、

命盤をつくるプロセスが複雑すぎて占うまでに時間がかかってしまったのです。

時代を経て、わが国民も「母子手帳」に生まれた時間を記入する習慣ができました。


そして、ようやく紫微斗数は、

最近になってその存在をにわかにアピールし始めました。


ただし、なんといっても原型は中国人のための占星術。

そのまま使ったところで日本人の感覚にしっくり来るはずはありません。


考えても見て下さい。

漢民族は、ともかく吉凶を知りたがる民族なんですよ。


「私は、この男性と相性がいいですか?」

「いえ、残念ながら、結婚したらとても苦労しますよ」

「わかりました。では、ほかの男性を探します」


こんな感じで、女性といえども割り切ったクールな面が漢民族の特徴です。


日本人女性なら、深く思い悩んでしまいますよね。

で、悩んだあげく、

それでもその男性と一緒になる人が多いでしょう?


だから4組に1組が離婚するのです。

ですから現代日本の紫微斗数は、

吉凶をわざと甘めにして、

その対処法を提示できるように改良されているのです。


日本人の心理を覗くと、

「ただ良いか悪いかを知りたいのではない」ということがわかります。

そういう意味で占星術というのは、

その時代や民族性を考慮して、どんどん改良する必要があるのです。


ともあれ東洋占星術は、

古今東西の学問的な集大成なのです。


各人種や地域、それぞれの時代のエッセンスが

凝縮された濃厚な「本格命術」なのです。

 taka

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